魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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146: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2015/12/10(木) 18:12:08.29 ID:IqECF18U0

これまでの文官装束では、服の中に隠れて見えなかった近衛の胸元。
今はそこに一本の鹿紐が掛けられており、その先には、朱色に鈍く輝く水晶型の石が付いているのが見える。


亀姫「近衛様…… その、胸元の御石はなんですの?」

近衛「ああ。こちらは魔王陛下の、血の結晶でございます」


これは近衛にとって帰属の証しでもあり
身につけておくことによって結界の効力をも果たしている。


近衛「魔王陛下の血。固形化された純粋な魔素。自分にとって大切な、お守りです」

亀姫「一体何故、そのようなものを身につけておりますの?」

近衛「……自分は、ニンゲンなのですよ」

亀姫「え……」


その石を指先に触れながら呟いた近衛の目は、それが真実であることを語っている。
亀姫は思わず身を引きそうになってしまったものの、どうにか思いとどまった。


亀姫(ニンゲン…まさか、魔の者ですらないなんて)




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