やはり俺の脳内選択肢が青春ラブコメを全力で邪魔しているのは間違っている。
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275: ◆oUKRClYegEez
2016/06/11(土) 21:50:54.70 ID:0ss/DwgJ0
奏「……八幡」

八幡「…………なんだ」

 返事がどこか、上の空だ。

 でも、正直俺もそんな感じで話しかけていた。

 ぼーっとしたまま、でも何かを話し始める。

奏「俺、止められなかった」

八幡「別に、止めてもらわなくたっていい。事実、これで戸部はフラれずに済んで、葉山たちはこれまでの関係のままだ」

奏「……全部が今までのままってわけじゃない」

八幡「そうかもな。葉山たちには少しの雰囲気の悪さくらいは残るだろうな。でも、これが一番壊れないで、誰も傷つかないで――」

奏「傷ついてるよ」

八幡「誰が?」

 そういう八幡の声に、ややいらだちのようなものが混じる。

 でも、微妙にいらだちとは違う。なんだ……?

奏「お前が。そして俺自身が」

 ……我ながらなんて自分本位のセリフだろう。

 頭の、ろくに表に出てこない冷静な部分が軽く笑っている。

八幡「俺は傷ついてなんかいねえ」

 八幡はぶっきらぼうにそう言うと、来た道を戻って宿に戻ろうとする。

奏「……待てよ」

 たらたらと歩き始めていた八幡が、ふらふらと止まる。

八幡「……なんだ」


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