493: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2016/07/11(月) 19:06:11.26 ID:UgjJ0tqW0
勇者「下がれ、明後日までに編成案を完成させろ。
2週後の開戦に間に合うようにな」
第三師団長「………」
勇者「まだ何かあるのか?」
第三師団長「……兵はみな、不安がっている」
勇者「ほう?」
第三師団長「士気は高い。
新型の焼夷兵器も一定の戦果を挙げるだろう。
…これは結果の見えた戦です」
勇者「では不安を感じる事もあるまい」
第三師団長「そうです。
…故にみな、どこか違和感を覚えるのだと」
勇者「はっきり話せ。
私は忙しい」
第三師団長「我が国の国防計画は全てかの国を想定している。
…北方の要塞線、魔研の設立、我が国に根付く魔法排斥の動き。
全て、私が生を受ける前からの動きだ」
勇者「………それで?」
第三師団長「民草は無能だが無知ではない。
…我が国はこの戦争を回避できない。
その理由からみな目を背けているのです。
結果は見えているとはいえ魔法の王国は大国だ。
戦は数年に渡るだろう」
勇者「……貴様は軍人に向いていないようだな」
第三師団長「和睦の道など誰も夢にも思わない!
民はみな心のどこかで、為政者たちにこの戦争を回避する選択を期待していたんだ!
魔法は厄介な戦略単位だ、戦局などいくらでも覆る!
たとえ勝利したところで、得るものも何も無いというのに…!!」
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