413: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/12/30(水) 01:45:00.16 ID:+mjVyJCo0
憲兵は無造作に手を掲げ、
…なにやら呟き始めた。
見習「…は?」
掲げられた手に小さな光が灯る。
それは確かに、魔法の王国の者である彼らには慣れ親しんだ力で、
中央王国の者たちには、忌むべき力であるはずだ。
見習「魔力、だって?」
憲兵の慣れた手つきには、少しの澱みもない。
驚嘆と、その仕草があまりに恭謙であるがゆえ、
見習は身体の自由を奪われた事に気付けないでいた。
憲兵「…かつて賢き者ども、
ここに座せり。
彼の者はいましめの鎖を整え、
彼の者は敵を抑え、
彼の者は鎖をつなぎとめる。
―――いましめは今、我が手に」
見習「お、おい、やめろ!!!」
憲兵「―――いと小さき者を捕らえ、
我が言霊を届けよ」
光が消える。
それが魔法の発動が完了した証である事を、
なまじ魔法を齧っている事で、理解できてしまった。
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