魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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353: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/11/23(月) 01:24:57.19 ID:9DwdlqBj0



少年「―――っつ―――!!!」


前兆も、脈略も、意思すらも感じぬ一振り。
はじめから引き絞られていた弓を思わせる、ナイフの切っ先が少年を襲う。
しかし危機を察知し、そして反応するまで、それはまさに刹那の瞬間だった。
その少年の回避速度たるや、およそ人間ではありえない速度だ。
結果としてナイフの切っ先は少年の頬を掠めるに留まった。

賢者が自らの持つ情報を守るために行っている事は2つだ。
ひとつは、昏迷時以上の深度の意識レベルでは思考を停止させ、読心を防ぐ精神操作魔法。
そしてもうひとつが、精神への外部アクセスを引き金として、敵を自動的に迎撃する自己暗示だ。

しかし、その結果はどうであったのか。
この攻撃は、この少年にとって確実に、意識の外からの攻撃であるはずだった。
しかし少年はその危機を即座に察知し、反応し、かわしてみせたのだ。


少年「…へー。
   なかなか気の利いたセキュリティじゃん」


ナイフを構える賢者の瞳に光が戻る。
少年が持ち合わせる魔眼の力が解けたのか、
賢者の魔法抵抗力がその魔力に勝ったのか、
あるいはそのどちらもが理由なのか。


賢者「………いったい、何?」


意識を取り戻した賢者の第一声、
その謎めいた言葉は心の混乱に必死に耐え、溢れ出た疑問だった。
魔法使いである彼女は、自らの意識を容易く奪った魔法の正体が、
この黄金色の髪の少年が持つ魔眼の力である事には既に気付いていた。
しかし呪文の詠唱をせず、ただ視線のみで魔力を叩き込む魔眼では、
せいぜい1カウント相当の効果しか持たぬはずだ。
高位魔法使いである賢者にそれと気付かせず意識を奪う程の魔眼など、
果たして世に存在するのか。






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