魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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354: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/11/23(月) 01:26:27.84 ID:9DwdlqBj0



存在感のない肉体の持つ身体能力。
埒外の魔力を湛える魔の双眸。
十を過ぎたばかりであろう年齢にそぐわぬ魔法の練度。

その意味するところとは。


賢者「少なくとも、人間ではないわね」

少年「解答は具体的にお願いしまーす」


嘲るような口調で少年は応え、
渦巻く混沌を掬い取った瞳をぐにゃりと歪めた。
底抜けに愉しむようなその表情はまるで人形遊びをする子供だ。
だが、少年から滲み出る隠しようもない邪悪さは、
同時に倒錯的な嗜虐心も感じさせる。


賢者「(冗談じゃないわ。
    これじゃ、遊び終わる頃には、)」

少年「大体僕が人間じゃない事くらい、
   誰だってわかるでしょ」

賢者「(人形はバラバラにされてるじゃない…!)」


彼女は未知の敵と戦った経験に欠ける。
賢者の間諜としての本質は卓越した情報収集能力にあり、
どんな難敵に対してもひとつの「勝ちの一手」を用意する事で対抗してきた。

故に今、能力や種族すらも想像だにする事のできない難敵を前に、
彼女には打倒できる自信がなかった。
こちらの武装はナイフ一本、徒手錬成による魔法行使。
敵の能力はわからないが、ひとまずは、


賢者「(敵の攻撃を待って、対抗…)」

少年「手段を、考えようって肚だね。
   消極的だけどいい手だ」


心をぴたりと言い当てられ、
隠せぬ動揺が顔に滲む。






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