魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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350: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/11/23(月) 01:21:23.23 ID:9DwdlqBj0



少年「でもさ。
   この国の魔法使い達、あ、これは役割としての表現だね。
   魔法使いたちは、みんな選民思想が激しいね。
   分離政策なんてとってないのに」

賢者「そうね。でも、この国を育てたのは魔法よ。
   あなたも、この国で魔法を習ったんでしょう」

少年「習った?まさか。
   逆はまだしもね」


と言い切って、まるで心外という顔をする。
やはり少年には存在感がない。
身振りから巻き起こる気流を感じない。
声は聞こえるのに鼓膜を震わせない。
足音を響かせるのに、振動を感じない。
それは、まるで幻のように。


少年「なら、お姉さん。
   あなたは魔法使いだけど、
   そうでない素質も持ってるね」

賢者「………どういう事なのか、わからないわ」

少年「魔法使いはなぜ魔法を習うの?
   世の中を豊かにするため?
   人々の助けとなるため?
   それとも、ただ便利だから?
   お姉さんは3つめだね。
   でも、みんなそうではないよね」


大仰な身振りで少年は続ける。
賢者は何故か言葉を発せられない自分に気付いた。
少年の言葉に僅かな毒と、思想の胎動を感じたからだろう。


少年「みんな次の段階に進みたいからだよね。
   世の中なんて関係ないし、人々の事なんて見向きもしない。
   勿体ぶって利便性にも目を向けない。
   ただ、魔法の行く末を見たいんだ。
   この世に魔法しか無いと思ってる。
   でも頭打ちだ。
   新しい理念が欲しいんだ。
   それらは魔法では生み出せないものなのに、魔法は再現する事しか出来ないのに、
   未だ見ぬものを魔法で生み出そうとしている」






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