魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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35: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/08/29(土) 20:31:56.07 ID:tNq3pxyB0



――――それはほんの、星の瞬きのような刹那。

眼球を焼くような閃光が走り、次いで耳をつんざく轟音が鳴り響き、
そして、どんな嵐よりも強い空気の壁が迫る。
雨のような稲妻が、兵たちを避け、
次々と魔物たちにのみ降り注いだ。

衝撃は町並みの炎をも吹き飛ばす。
…これは、天の裁きか。
魔王の如く思えたデーモンは容易く地面に膝をつき、
全身の樹にも似た幾何学的な熱傷が光を発している。

まるで永遠にも思える一瞬が過ぎ、
魔物たちが次々に死に絶えても、
兵士たちはまだ呆然と立ち尽くしている。
防壁を破り町を焼き、民の半数を殺した敵たちが、
ただ一度の閃光のみで次々に死に絶えた事実に理解が追いつかないのだろう。

きっと己の無力さにすら、まだ気付けていない。

…砂埃が晴れる。
いつの間に立っていたのか。

そこに、薄青く光る鎧に身を包んだ、女性の姿が浮かび上がった。


「…王国軍。名は勇者」

「神託の元、この地を、併合しにきた」






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