魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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34: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/08/29(土) 20:31:21.68 ID:tNq3pxyB0



戦士「く、そおおおおおお!!!!」


弾き飛ばされる。
大剣の一撃をいなしきれず、斧槍の柄は真二つに折れていた。


魔神「なに、なかなか持った方だが、やはり詰みか。
   先ほどはなかなか手こずらせたが、予想した以上だ」

戦士「…ぜぇ、ぜぇ、…まだ、おわって…」

魔神「どうすると言うのだ。
   妻は死に、彼我の実力差は歴然だ。
   味方はあのような雑魚どもに手間取る雑兵のみ、貴様の武器も既に折れた。
   くくく、どこに勝機がある?
   …我の力は充分にわかった。
   次は、魔法でも試そうか」

戦士「………ぐ、ぅ」


遠雷は更に近付いてくる。
風が強く、飴色の空は黒色へと変わる。

…体毛が逆立つのを感じる。
これは。
避けられぬ死の予兆なのだろうか。


魔神「ではな、人間。
   防ぐ手立てがあれば防げ」


デーモンの手から迸る魔力。
火炎魔法なのか、肌が焦げ付くのを感じる。
…あれだけの魔力なら、大門などひとたまりもなかったのだろう。


兵長「……んし!!……!!!」


周囲の砂埃が、なにかに引き寄せられたように宙に浮かび上がり、
肌を刺す蒼い光と、ぱち、ぱち、と薪の弾けるような音がする。
…ぱち、ぱちり、と。
これは、火炎魔法じゃない。
しかしデーモンの手からは、まだ魔法は放たれていない。


兵長「…戦士!!!聞け!!!!武器を捨てろ!!!!」

戦士「………は?」


…雷鳴は既に近い。
天は雷光の瞬きの間のみ、その雲の深さを知らせていた。
ついに轟音は頭上より聞こえ、そして、


兵長「――――雷だ!!!!!」







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