魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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315: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/22(木) 01:26:23.96 ID:GXsKHRI30




盗賊「ぐっ――――!!!」


先に限界を迎えたのは盗賊だった。
崩れ落ちるように蹴り足にした右膝を折り、
だらしなく地を這い、勇者の間合いから逃れようとするが、


勇者「じゃ。
   なかなか楽しかったよ―――」


銀髪の女性は、その背に上段に構えた剣を容赦なく振り下ろす。


勇者「――!?」


しかしその剣が届く事は無い。
振り下ろされた剣は、斧槍の穂先が迎え撃つ。
戦士がホールの隅に昏睡状態の賢者を横たえ、
手助けに戻るだけの時間を、盗賊は稼いだのだ。
弾かれた剣先を眺め、勇者は苛ついたように唇を噛み締める。


勇者「………ちっ、君まで」

戦士「わりぃけど、俺はそいつの護衛の仕事を受けたんだ」


理由はわからないが、
勇者は水に濡れていては雷魔法を扱えないようだ。
加えて間合いを詰めれば、接近戦なら勝機がある。

しかしそれでも、ただひとつの懸念材料があるが―――


勇者「……………っ、」


先程の赤黒い球体だ。
正体はわからない。
しかしその威力、直撃すればひとたまりもないだろう。


盗賊「旦那、殺しはいけません。
   ………頼みます、無力化を」






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