313: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/22(木) 01:22:56.47 ID:GXsKHRI30
盗賊「これは君のすべき事ではない。
私がこうして君の生き方を正す事は、
君に仕えた時から、決めていた事だ」
勇者「…意外に、つまんない事で死ねる男」
勇者は言うなり、逆巻く波の如く反転し、
壮年の男へと躍りかかった。
盗賊「ぐ、っ――――!!!」
眉間に迫るオリハルコンの剣。
神速の踏み込みから唐竹に振り下ろされた刃を、
盗賊は湾曲した短刀で防ぐ。
勇者「君、戦えたんだ。
知らなかったよ。
君が戦えるなら、これまで僕も苦労しなかったんだけど」
盗賊「なに、…嗜みのようなものです。
披露する機会は無いと思っていましたが」
勇者「全く、鼠賊如きが剣士の真似事を…ッ!」
響き合う、剣と短刀。
盗賊はトップヘビーなグルカナイフの利点を活かし、
しなやかに距離を稼ぐような軌道で、身に迫る剣を迎撃する。
それは驚嘆すべき達人の技だ。
しかし盗賊が達人ならば、
対する勇者の剣腕は超人の域。
人の身で人ならざる膂力を誇る魔神と互角に打ち合う程の。
585Res/472.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20