296: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:53:27.85 ID:D2uU4S3W0
王城に、一人の伝令が戻ってきたと聞いたのは数分前。
通信水晶が発見されてからというもの、
伝令のための駿馬が駆けるという事は、
作戦行動の失敗を意味しているようなもので、
報告を受けた時、俄に心がけばだった。
憲兵「…近衛騎士団が?」
そして、その予感は正しい。
伝令は出撃した近衛騎士団の全滅を報せるものだったのだ。
兵士「ええ。
魔研に向かう森で、全滅したそうです」
憲兵「馬鹿な。全滅というのなら、生き残りは…」
兵士「先ほど帰った一人のみです。
なにやら恐慌状態のようで、
詳しい話が聞けるのは数日後でしょうね」
憲兵「………何故だ?
近衛騎士団を全滅させられるだけの兵力、
秘密裏に王都に送り込めるわけはない」
兵士「真偽の程はわかりませんが、
魔研の近くで轟音が鳴り響いたという証言も出ています。
…信憑性は、7、3といったところですかね?
とにかく20分後に軍議です。
あなたもご出席を」
憲兵「…ああ。
すまないが、それまでに例の雷撃痕の資料を纏めておいてくれ」
兵士「………なぜ、今?」
憲兵「今だからだ。
国が危機に瀕している時に勝負をかけるべきだ。
手遅れになってからでは遅いとは思わないか?」
兵士「…わかりました。
纏めておきます」
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