295: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:52:37.21 ID:D2uU4S3W0
勇者「じゃ、5つ数えるね。
どっちか選んでね」
戦士「………くっそ……」
勇者「ごー、よーん」
どうする。
賢者を連れ縦穴に降りる。
…駄目だ、精霊さんの機嫌次第だし、
下は瓦礫だらけだし雷を遮るものがない。
勇者に挑みかかる。
…雷魔法の発動より速く斬りかかれるか?
…八方塞がりだ。
いくら考えても、状況を打開する方法が思い浮かばない。
勇者「さーん、にーい」
それだけは駄目だ。
賢者を見捨てる事はできない。
命をもらうと約束したんだから。
戦士「………く、そぉっ……!」
この勝負の帰趨は既に決している。
間合いを取られては魔法の餌食だし、
後ろには賢者が倒れ伏している。
故に俺は身を横に躱す事ができない。
足に棲んでいるという精霊は気まぐれで、
助力は期待できたものではないし、
間合いを詰めるより先を取られる事は明白だ。
だが俺の身体は、雷を耐える事などできない。
これは死へと向かう疾走だ。
だが諦観も絶望も、あってたまるものか。
これは俺の打てる最善の一手。
気休めかもしれないが、ミスリルの外套を身体の前に翻す。
戦士「うおおおおおおお!!!!」
勇者「ふうん。
それが君の答えなんだね」
勇者の手から雷霆が放たれようとした、その時。
「旦那!!!止まってください!!!!」
見知った、声が響いた。
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