294: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:51:48.94 ID:D2uU4S3W0
勇者「もう、さっさと逃げてよ。
戦士には、できるだけこんな姿、見せたくなかったのに」
戦士「馬鹿言え。
みすみす見逃せる事じゃねえ」
勇者「…ほんと、何度も命は狙われるわ、
戦士は誑かすわ。
…目障りだね、賢者は」
勇者は仕掛けてこない。
おかしい。
これは勇者にとって、絶好の機会と言えるはずだ。
俺が間に立っているとはいえ、
脅すのみに留めている理由がない。
戦士「仲間が、来るのか?」
勇者「……………さぁ?」
なぜ、気付かなかったのか。
勇者は魔法使いの死体を求めていると言った。
しかし爆弾が魔法使いの血液を原料としているのなら、
魔法使いは生け捕りが都合が良いはずだ。
つまり、勇者は。
戦士「動けない賢者を、捕らえるつもりなんだな」
勇者「……………」
勇者は沈黙で応える。
そもそも勇者の返答は関係が無い。
これは確信に近い推測だ。
勇者「………ふぅ。
ま、別に殺してもいいんだ。
賢者ほどの魔法使いが生け捕りにできて、
生かしておけば血液が収穫できるってのは魅力的だけどさ」
戦士「………収穫、……だと?」
勇者「怒んないでよ。
賢者の存在は、殺すだけでも、
充分に戦略的価値を見出だせるんだ。
…だから、戦士がそこから動いたら捕らえるし。
動かないなら、君ごと殺すしかない」
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