293: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:51:04.88 ID:D2uU4S3W0
勇者「へぇ、防げたんだ。
さすが百戦錬磨の魔法使いだね」
賢者「…とんでもないもの、作ってくれたわね」
勇者「あはは。
余力、ある?
戦士はいーけど、魔力切れの君を見逃す手、
…ないんじゃないかなぁ…?」
賢者「……戦士………」
戦士「間合いが、離れすぎてる。
…俺の後ろに」
賢者「ごめん………眠くて……」
戦士「賢者っ!?」
勇者「あー、もう、めんどくさい。
…まとめてやっちゃおうか」
魔力切れの影響か、
賢者は力なく崩れ落ちてしまった。
すんでの処で抱きとめるが、
賢者の息は荒く、身体は燃えるように熱い。
勇者の手が振り上がる。
その手に僅かに、雷霆を纏わせながら。
戦士「………やめろ、勇者。
目的を聞かせてくれ。
話次第では、敵にはなり得ないはずだ」
勇者「そーゆーわけにもいかないって。
時間もないし、彼女とはずっと殺し合ってきたんだもん。
爆弾も見せちゃったし、彼女に同じ手は二度通じないから、
今のうちに殺しておかないとって、
僕間違ってる?」
戦士「………俺が、気に入らない」
勇者「子供みたいな事言わないでよ。
苛めたくなっちゃうじゃん」
どうする。
ミスリルの外套に賭けるか。
ハルバードを投擲するか。
…どの手立ても、見込みが薄い。
睨み合いは続く。
例え雷を防いだところで、
勇者は接近戦もデーモンと渡り合える腕前だ。
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