魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
1- 20
278:名無しNIPPER
2015/10/05(月) 03:35:40.75 ID:D2uU4S3W0



戦士「うおおおおおおお!!!」


更に瓦礫を足蹴にして、次なる瓦礫へと跳躍する。
まずい事に、想像していた以上に速度がのる。
これではじっくりと「足場」を選ぶ余裕は無い。
速度は跳躍ごとに増し、戦士の身体を猛然と突き進む尾を引く流星へと変える。
姿勢が乱れ、その移動はもはや跳躍ではなく、バウンドするボールを思わせた。
だが動きを止める訳にはいかない。
甲冑、腕、身体のあらゆる場所を使い、
賢者が作った道を追い、
気流の螺旋階段を駆け上り、戦士は空へと疾走する。

回数にして、七度。
戦士は遂に天蓋を穿ち、崩落する天井を抜け、
地上へと躍り出た。


勇者「………戦士?」


そこに、驚きに身を固める、青い鎧姿の女性を見る。

想像よりも速度が落ちない。
戦士は身を翻し、地上フロアの天井に「着地」し、
更に反転し、地上へと降りた。
地下を抜けたら解除されるようになっていたのか、
魔法は既に解けている。
突然、身体を重く感じた。
先ほどまでの身軽さは、僅かの時間だったが、
充分に、身体に重力を忘れさせてしまったようだ。

地上フロアは大きなホールになっている。
会議室、だろうか。
多数の研究者が暮らす魔研の居住フロアに存在するだけあり、
かなりの人数が収容できそうだ。

その中央で、勇者と邂逅する。
魔翌力灯は全ては壊れてはいないが、
フロアは暗い。
勇者の表情はよく見えないが、
僅かな戸惑いと、確かに存在する敵意を感じ取る事ができる。


戦士「…お前、なんでここに居るんだ」

勇者「こっちが聞きたいよ。
   なんで魔研なんかに居るの?」

戦士「野暮用だ」

勇者「隠れてたね?」

戦士「気のせいじゃないか?」

勇者「………あは、は。
   浮気者だなぁ、戦士は」






<<前のレス[*]次のレス[#]>>
585Res/472.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice