魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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277: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:34:17.78 ID:D2uU4S3W0



3度目の激震。
天井はもはや持たない。
疼くような音がして、ひとつ、またひとつと、
小さな破片が降る。


賢者「ちょっと!いつまでこうしてればいいの!?」

戦士「……………」


まだ早い。
これでは、届かない。


戦士「…もう、少しだ」


罅は天井の姿をすっかり隠してしまい、
ねずみ色はもはや黒一色だ。
反響していた轟音はやがて静まり、
一瞬の静寂が地下を包む。

そして、突然、まるで巨人に踏み抜かれたように、
天井は激しく崩落を開始した。


戦士「今だ!!」

賢者「もうっ!急なのよ!」


身体がふわりと持ち上がる。
うねる気流を視界が捉える。
だから、理解できる。
この長い筒状の縦穴に、螺旋状に道ができている事を。


戦士「気流の道か!やるな、賢者!」

賢者「うるっさい!さっさと行け!
   招きは天に、私の腕は大気を掴む………!」


足が地を掴む感覚が無い。
重力が身体を包む気流に相殺される、絶妙な力加減だ。
賢者の感覚の鋭さゆえに成せる事だろう。


賢者「バギクロス!!!!」


地を蹴り、斜めに跳ぶ。
少し遅れ、背に風を受け、加速。
膨大な風量に押された加速感は、まるで時を加速させるかの如くだ。
瓦礫のその落下を静止させたようにさえ感じさせる。
第一の目標と定めるは、自らの体重を支えるだけのサイズの瓦礫。
それを足蹴にし、更なる目標を定め、戦士は文字通り疾走する。
風魔法の恩恵があればその程度、階段を駆け上ると同じ事。
落下速度を遥かに上回る速度で跳べば、
瓦礫は宙に浮かぶ足場となんら変わりない。






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