272: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:27:05.46 ID:D2uU4S3W0
戦士「………!」
ぞわり、と背後から心臓をその手に握られたような悪寒。
慣れ親しんだ修羅の庭に蔓延る死神たちの風招ぎ。
今、風は死地へと吹いている。
恐懼に竦むより先に、賢者が声をあげた。
賢者「やばっ…!見つかった!!」
戦士「……ああ、わかる」
頭上高く、地上フロアから放たれる殺気。
勇者が俺や賢者を認識しているかどうかは定かではない。
しかしこの殺気は、
明確な殺意を持ってこちらへと向かっているのだろう。
兵長を思い出し、身が震える。
命を奪われぬとも、遥か未来まで身を蝕む雷。
直撃しては死を免れぬ。
そんな敵を相手に、どう戦えばいいのか。
賢者「ごめん…!魔法、乱れたっ…!」
戦士「とにかく、かけ直してくれ。
見つかったままじゃまずい」
賢者「もうやってるわよ!
でも、こっちへ向かってる…!」
戦士「…そうか。
なら………」
道は、ひとつしかない。
賢者「あんまりいい案じゃなさそうね」
戦士「そうでもないさ。
退路がない時、する事はひとつだろ?」
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