魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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264: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:19:04.72 ID:D2uU4S3W0



盗賊「…その声、覚えがあります。
   私を捕らえる、と言っていたのは貴方ですね」

見習「………つぎ、は…、
   外さ、ない」

盗賊「魔力も未熟、
   心の軋みは隠そうともしない。
   貴方にこの仕事は向いていませんね」

見習「うあああああああ!!!!」


またも光弾が走る。
連射が効かないのか、ひとつだけ。
しかし、その放たれた光弾は突然炸裂する。
光に視界が白み、
そして気付いた。
この魔法は殺傷を目的としていないという事に。


盗賊「くっ……」


殺傷能力の低い魔法であるという事は、使い手ならばこそ熟知しているのだろう。
この魔法は、視界を奪う事を目的に放っているのだ。


見習「死、ねぇ!!!」


眩む視界の中、朧げな、短剣を構え突進してくる青年の姿が見えた。
きっと勝利を確信した笑みでも漏らしているのだろう。
殺す、ではなく捕らえる、と言い表した事からして、
恐らく盗賊の持つ情報を欲していたのであろうに、
この男は明確な殺意を放っている。

魔研で何があったのかは知るべくもないが、
悲惨な現状に正気を失い、逆上し、本来の目的を失っている事は確かだ。
どこか失笑を誘うほどの雑駁さ。
現役を退いて久しいが、
ここはひとつ思い知らせてやらねば。


盗賊「……侮るな、小僧」


必殺の機にこそ落とし穴があるという事を。






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