265: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/05(月) 03:19:56.46 ID:D2uU4S3W0
戦士「勇者?
なんであいつがここに居るんだ?
あいつは第6師団司令部に…」
賢者「…黙って。
牢に身を隠しましょう。
私から離れなければ、見つからないはずよ」
賢者の身体は、未だ微かに震えている。
無理もない。
勇者はどこからでも命を奪う手段を持っているのだ。
況してやここは、賢者にとって敵地だ。
身を現せば確実に殺されてしまう。
戦士「転移魔法、使えるだろ?
お前だけでも逃げてくれ」
賢者「無理だってば。
転移魔法は発動地点と目的地点とを、
目視よりもなお強くイメージする必要があるのよ。
じゃないと場所が安定しないし、
下手に使うと肉体がうまく分解再構成されないわ」
戦士「えー、つまりどういう事だ?」
賢者「身体がバラバラになって死ぬ。
まぁ、あとは壁にめり込んだりとか」
戦士「そ、それは嫌だな」
賢者「だから魔法陣を介したりするんだけど…」
戦士「ここに魔法陣は描いたりとか」
賢者「あのね、転移魔法がそんなに便利だったら、
誰だって苦労しないし私達もずっと楽よ?
長く暮らした場所ならまだしも、
ここはよく知らない場所だし、
それなりの測量と儀式が要るんだから。
そんな時間ないわ」
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