25: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/08/29(土) 20:23:04.03 ID:tNq3pxyB0
魔女「……う…」
咄嗟に放った念動力で、魔物たちは一掃できた。
傷は深い。治療魔法で応急的に出血を止めてはいるが、
研究室に戻らなければこれ以上の治療はできないだろう。
この傷では、彼の援護はできそうにない。
魔女「すま、ない……ふふ……。
やっぱり、かくれて、いれば…」
そして。
行く手に、漆黒の鎧を着た、悪魔がいる。
魔神「強力な魔力の揺らぎを感じたが。
まさか人間の小娘だったとは」
魔女「そう、いう、きさまは、魔界の青二才、だろう?」
魔神「く、く。多少は我等について知識があるらしい。
我を見ていた虫の飼い主は、貴様だろう。
いみじくも言い得ている。我はまだ若い」
魔女「デーモンが、こんな辺境の町に…。
なにが、望み…だ」
魔神「なに、請われただけの事。
我に目的はないが、…そうだな。今は、目的もある」
魔女「…………く、ぅ…」
魔神「くくく、逃げるのか。転移魔法は通じんぞ。
魔力の残滓を追えば良い」
魔女「…転移………っ」
―――彼の許へ。
デーモンは追ってくるだろうが、
私の命が尽きる前に、彼に伝えなければならない事がある。
585Res/472.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20