魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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231: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/19(土) 02:37:13.81 ID:HzNUYnay0




賢者「私、見てはいけないもの、見ちゃったの。
   
   ここ………、
   
   壊さないと………」


無謀だ。
王都の主要施設の守護は近衛師団の管轄だ。
こんな騒ぎを起こしたら、
大陸最強といわれる近衛師団がすぐに飛んできてしまう。


戦士「馬鹿!この馬鹿野郎!」

盗賊「旦那、お早く!」

戦士「…盗賊、お前、先に出ろ。
   執行部に見つからないようにな。
   出たら店に戻って、閉じこもってろ」

盗賊「…旦那は」

戦士「ちゃんと戻るよ。
   放棄しといてなんだが、護衛は数日間の約束だ」

盗賊「はは。
   ………わかりました。ご無事で」

戦士「帰ったら話の続き聞かせろよ」


賢者の気配はもはや無い。
駆け出すと同時に、所内に警報が鳴り響く。
遠くから次々と爆発音が聞こえる。
執行部の襲撃が始まったのは本当らしい。


戦士「賢者!!!賢者、どこだ!!!!!」


行く先の通路には火の手が上がっていた。
夜目の効かない俺には都合が良い。
賢者は恐らく死ぬ気だ。
何を見たかは知らないが、
みすみす死なせていい女じゃない。

身体を風が包む。
精霊は俺の心を読んだかのように空気の壁を切り裂いた。
ああ、そうだ。
お前の主人の親友を助けるんだ。

魔女。
頼む。

力を貸してくれ。






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