203: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/19(土) 02:12:05.46 ID:HzNUYnay0
賢者「でも最後に会った時は、それまでの無茶な魔法行使が祟ったとかで、
ずいぶん力が衰えてたみたいだけど」
戦士「そうなのか。
とてもそんな風には見えなかった」
賢者「あんたとあの子が再会したのは、4ヶ月くらい前でしょ。
その頃にはもう衰えきってて、昔ほどの魔法行使なんて、
とてもできなくなっていたわ。
それでも並の魔法使いとは比べ物にならなかったんだけどね」
戦士「へ、へぇー。
まさかそこまで凄いなんて思ってなかったな」
賢者「そ。
あの子は凄いのよ。
…でも、それを鼻にかける事はなくて、
それも殊更に学院の人間たちに、あの子を疎ませたのよ。
あの子が発見した魔法特性や、開発した術式はいくらでもあるわ。
魔力炉、魔力紋だってそうだし、魔界の発見と交信方法、
新種のキメラ、多系統統合魔法、新型の自動人形に、
術式のマルチアクション、他にも色々」
戦士「でも、奴隷出身ってだけで」
賢者「学院は閉鎖的なのよ。
異分子には厳しいわ」
戦士「……………」
賢者「それでもあの子は、結果を出し続けたわ。
あの子、ある口癖があってね」
戦士「口癖?」
賢者「人々が争い合う理由がなくなればいい。
理由がなければ皆争い合う事はないはずだ、って」
戦士「……………」
―――私は、戦争を止めたかったんだ。
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