173: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/12(土) 01:06:00.17 ID:woiMU4L00
兵長「昔、雷に打たれた事があるんだ」
戦士「…それは、雷の傷、ですか」
兵長「ああ。
まだお前の町に居なかった頃、俺は雨の戦場で、
肩に背負った槍に雷を受けたんだ。
今でもよく憶えてる。
砂埃が舞い上がり、
薪の弾けるような音がして、
肌を刺す青い光が見えた。
閃光が走ったかと思えばとんでもない音がして、
気付いた時には介抱されていたよ」
―――聞け!!!!武器を捨てろ!!!!
戦士「だから、あの時」
兵長「忘れもしない、雷の予兆だった。
生きた心地がしなかったよ。
人生で二度雷に打たれるのかと」
戦士「はは。
それで右への反応が遅れるんですか」
兵長「そうなんだよ。全く問題を感じないんだが、
右半身だけ、少し鈍ったような感覚なんだ。
医者が言うには後遺症とはそういうもんだそうだ」
戦士「…よく、生きていたものです」
兵長「雷が心臓を通っていれば即死だったそうだ。
俺は運がいいな」
戦士「……………勇者も」
兵長「む」
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