172: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/12(土) 01:04:13.02 ID:woiMU4L00
兵長「ははは。
見破られていたのか」
戦士「何年剣を合わせてきたと思ってるんですか、はは」
兵長「いや、克服したつもりだったんだがなぁ。
身体の衰えと共に、また顔を出してきたようだ。
右半身に古傷があるんだ。
それが理由だ」
戦士「古傷?」
兵長が服を脱ぐと、まるで刺青のような傷跡が現れた。
傷跡は肩口からシダの葉のように広がり、
脇腹で消えていた。
…どこかで見たような傷。
あれはどこだったか。
戦士「…その傷は……」
兵長「不思議な傷だろう?
右への反応が遅れる理由だ。
どうしても右半身とのバランスが悪くてな」
戦士「痛むんですか?」
兵長「日常生活を送るには、全く問題のない傷だ。
痛む事もないし引きつる事もない。
だが思ったより深い場所にダメージがあるらしい」
戦士「…それ、…なんの」
兵長「なんだ。最近も見ただろう」
戦士「あ………」
あれは。
―――グオオオオオオオオオ!!!!!
眼球を焼くような閃光。
鼓膜が引き裂かれるような雷鳴と、
爆発的な熱い空気の奔流。
デーモンは容易く片膝をつき、
全身に、
樹にも似た幾何学的な熱傷が光を――――
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