174: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/12(土) 01:07:05.47 ID:woiMU4L00
戦士「勇者の雷魔法を受けても、そうなるのでしょうか」
あの時、確かに聞いていた。
勇者は心臓を狙っていると。
兵長「当然そうなるのだろうな。
勇者殿の魔法が、雷を喚ぶものだとすれば、
それが心臓を駆け抜ければ、生きていられる生物は居ない」
戦士「…そんな、力」
人が手にしていいものじゃない、と、
口にしかけて、どうしても声にならなかった。
事実として雷魔法は存在し、
その力を振るう人間もまた存在する。
力は振るわれるためにある。
その矛先が自分や、目に映る人々に向けられる可能性は、
例えどれだけ低いものでも、無視できるものではない。
兵長「………何を考えているかは知らんが、
それはきっと、お前が思い悩む事ではないよ」
戦士「そうですか。
…そうですよね。
すみません」
兵長「勇者殿の力は凄まじい。
あの力はきっと選ばれたものだと思う」
戦士「…そうですね」
兵長「だがな、戦士。
俺はお前が勇者殿より劣っているとは思っていないぞ」
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