16: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/08/29(土) 20:11:53.08 ID:tNq3pxyB0
魔女「今夜は外出しよう」
戦士「いいが、どこへ?」
魔女「久しぶりに星を読んでみたい気分なんだ。
今日の天候パターンなら、今夜はきっと星がよく見えるはずだ」
戦士「星読みなんてするのか」
魔女「…む。私だって、女だぞ。
愛する人と星を読んでみたいと思うくらい、いいじゃないか」
戦士「はは。悪かった悪かった。
でも俺は星読みなんてした事ないよ」
魔女「私が教えよう。丘で星明かりだけを頼りに寄り添って、
2人のこの先を占うんだ。
昼に作ったパンチェッタのサラダが残っているから、パンに挟んで携帯食にしよう」
彼女は俺との外出を好んだ。
歩く時は俺の腕を抱き、よく顔を覗き込み笑いかけてきた。
陳腐なロマンチシズムを愛し、学者らしからぬ希望的観測をよく口にした。
天文学も気象学も立派な学問だと顔を真っ赤にして怒るのだが、
言っている事は夢丸出しで、
眉唾な占いを、いつも自分なりに前向きに解釈した。
そんな時は、彼女の魔法使いの仮面が外され、その表情は年頃の女性の顔を覗かせた。
俺はどちらの顔の彼女も好きだ。
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