157: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/12(土) 00:49:30.04 ID:woiMU4L00
魔女『我々は人を越えし者だと導士たちは言う。
しかし本当は、現在の文明レベルの後追いをしているに過ぎない』
賢者『だからなにが言いたいのよ、結局』
魔女『いずれこの4000度の炎も、当たり前に作られる日が来るんだ。
その時、我々もまた変わらねばならない』
賢者『……………』
魔女『私は、4000度を越える炎を魔法で作り出す事ができる。
その炎を知ったから』
賢者『……ほんとに?』
魔女『うむ。導士たちの言う通り、
この手法は我々にしか用いる事ができない。
面倒な化学反応や合成の手順をすっ飛ばして、
我々は魔力のみで炎を作り出す事ができる。
魔力とは意思の力だ。
意思の力とは、イマジネーションこそ重要なんだ。
我々魔法使いの進化は結果を知る事から始まる。
結果ありきでそこから戻る事こそ魔法なんだよ』
…その後、あの子は本当に、白色の炎を生み出して見せた。
私は結局できなかったけど、
白色の炎は石や金属を容易く溶かし、
大気をあっという間に膨張させた。
あの子はきっと、私達とは見ているものから根本的に異なったのだ。
私には「あせちれん」とかいうガスを作り出す事はできないし、
魔力炉だってさっぱり意味がわからない。
私はいつだってあの子の味方だったけど、
結局海千山千の魔法使いの一人に過ぎなかった。
あの子に色々教えてもらって、学院の進歩の無さはわかった。
けど、価値観は結局、魔法使いのままだったのだ。
何度かそれで喧嘩した。
あの子の才能と努力に嫉妬する事もあった。
けど私はあの子の事が好きだったし、
あの子も私が好きだった。
あの子がどんな子だろうと、結局親友のままでいれたのは、
あの子がとても優しくて、夢見がちで、一生懸命だったから。
そして私もまた、あの子の一番の理解者足り得たからなんだろう。
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