158: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/12(土) 00:50:35.67 ID:woiMU4L00
戦士「おせーぞ」
賢者「あら、時間通りのはずよ」
賢者の指定した場所は繁華街にある、酒場の2階。
シェードカーテンで仕切られている、
少し落ち着いた感じのところ。
男女の密会にはなかなか趣きのあるシチュエーションといえるが、
俺は男やもめだし相手は暗殺者であるがゆえ、
背にじっとりとした汗をかいてしまうのも仕方ない。
戦士「…そーだな。
軍は時間前行動が基本だから」
賢者「軍は女性に人気のある職業と聞いたけど、
あんたを見てるとそうでもなさそうね」
戦士「しかも男やもめには蛆が湧くってんだから損だよなぁ」
俺が王都に到着したのは昨日の朝。
勇者と盗賊と別れ、兵長の実家に挨拶に行ったところ、
昔少しだけ会った事を覚えていてくれたのか、
宿を取るならうちに泊まりなさい、と強く誘われ断りきれず、
結局そのまま逗留する事になった。
今日街を歩いているところを賢者に声をかけられたのだが、
見られてるってのは気分のいいものじゃない。
戦士「なんか調べてんのか?」
賢者「ちょっとね。
このままだと戦争になりそう」
戦士「ああ、勇者が言ってた。
中央王国は今戦支度をしてるそうだ。
口実は知らねーけどな」
賢者「なんにせよそうなればウチに勝ち目はないから、
なんとか戦争を避ける方法を思案中な訳。
と、言うよりも…」
戦士「言うよりも?」
賢者「戦力はもう、どうしようもないからさぁ…。
ああ、あんたには関係ないわ。
お仕事の話はしない方がいいわね」
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