魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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14: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/08/29(土) 20:09:47.35 ID:tNq3pxyB0



魔女「君は魔法使いたちを見て、『妖しい』と思ったんだろう?
   魔法とは神秘的でなければならない、というのが彼らの考えでね。
   君たち兵士が攻撃的な意匠の鎧を身にまとうのと同様に、
   魔法使いたちは常識の埒外を演出する事で魔法の秘匿性を高めているんだ」

戦士「ほほー。
   理解しようもないものは確かに怖いからな」

魔女「古臭い考え方だ。魔法とは技術に過ぎない。
   大仰に呪文を唱え業火を生み出せたとしても、
   そんなもの油をかけた山のような巻藁に火をつければ代用は効く」

戦士「それは極論だろう」

魔女「つまり、その業火を意のままに操れねば意味がないという事だ。
   戦場で敵軍に業火を浴びせたとして、自軍と敵軍が入り乱れていたとしたら、
   敵軍だけを選択的に焼ければ戦略の幅が広がるだろう?
   技術とは用い方にこそ真理が宿るんだ。
   ただ大きい火が出せるというのみでは巻藁と油に劣る。
   だが、学院は『魔力を使って業火を出せる』過程をこそ重要視する。
   過程、つまり術式だ。
   術式を数多く生み出す事で体系に差別化を量っているわけだな」

戦士「いい事じゃないか。
   結果より過程を重視するってのは、
   ………慰みだな」

魔女「そうだ。慰みだ。
   彼らはその慰みで自尊心を保っているんだ。
   それでは進歩がないだろう?
   本来は、結果をどこに見据えるかが問題なんだ。
   彼らは火を生み出して満足している。
   我々は道具を用いず魔力のみを用い火を生み出すので特別な人種なのだ、と本気で信じている。
   だが広場でただ火を生み出すだけでは意味がない。
   火はなにかを燃やさなければ結果を残せないのだから」







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