魔女「ふふ。妻の鑑だろう?」
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117: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/05(土) 01:33:37.33 ID:X+mP6cx90



賢者「うふふ、できるかしら?」

戦士「この間合いなら、俺に利がある。
   次は逃さん」

賢者「…そう。
   そうね。
   私にもう手はないし、
   間合いも戻ってしまった。
   私に勝ち目はないわ」

戦士「………構えろ。
   決着だ」

賢者「でも、死ぬのは困るの。
   約束が果たせなくなってしまうわ」

賢者「……………あの子。
   魔女、との」

戦士「――――ッッッッ!!!」


弾かれたように突進する。
狙いは心臓。
渾身の力を込め、穂先を走らせ―――


賢者「ごめんなさい。
   私も付き合うから、ちょっとだけ、我慢して」


賢者が手を振る。
…間に合わない。

突如、部屋が大きく揺れ、
床が崩れだした。


戦士「う、うわ!?」

賢者「そっちはそっちでなんとかしてね」


落ちる。
足元に広がる暗闇は、この先の道のりを如実に物語る。
なんとかって、どうすればいいのか。
魔法なんて覚えてないし、
パラシュートも持ってない。
そもそもパラシュート持ち歩いてる奴なんているもんか。
賢者に目を見やると、どうもあっちは風魔法でどうにかなるらしい。
ずるいと思う。

落下ってのは気分のいいもんじゃない。
内臓が全て口から出て行くような感覚だ。
…まぁ、出てくるのは、街で食ったふかし芋なんだろうけど、
とにかく気分が悪い。
意識が飛びそう。

薄れる意識の中、
身体が緑色の光に包まれた。
透明な羽虫の羽を背負った、小人が見える。

…ああ、お前。
お前の主人は、もう居ないんだ。
助けてもらって悪いけど、自由にしていいんだぞ。

小人は悲しげな目でこちらを見つめる。
ああ、俺だって悲しいよ。

つか、これから俺も死ぬし。






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