113: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/09/05(土) 01:29:05.51 ID:X+mP6cx90
戦士「風魔法っ、そんな、使い方もッッ…」
絶え間ない毒を孕むような直剣の雨。
剣戟が雨なら、飛び散る火花は雷か。
間合いを測ろうにも、
賢者の剣はあまりに疾い。
―――そしてふと、違和感を覚える。
賢者の剣筋は変幻自在で読みづらいが、
少し、リズムが変わったような気がする。
まるで、なにかに備えているような。
賢者「そんな大振りな武器で…っ、
ここまで防がれるなんて……うふ、ふ…」
剣が疾さを増す。
鞭のようにしならせた斬撃は軌道を不意に変え、
頭上から降り注ぐ。
だがそれも読み筋。
斧刃で迎え撃ち剣筋を崩し、返す穂先で腹を狙う。
しかしそれもかわされる。
賢者は独楽のように回転し、遠心力の乗った剣を横薙ぎに、
戦士「ち、くしょ…ッ」
賢者「――――うふふ―――」
横薙ぎに俺の脇腹に向け、
剣が、途中で掻き消えた。
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