508: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/05/25(木) 02:41:07.86 ID:QU6yr3HsO
意志の持ちようでは、こうして凝固させたオラクルエネルギーを、神機から切り離して扱う戦法も可能ということだ。
咄嗟に狙いも付け難いし、基本的には中距離程度しか維持できない代物だけど。
既に斃れた敵を追い越したエリナが、そのまま私の方へ駆け寄ってくる。
「大丈夫!?」
「……うん、何とか」
軽く咳き込みながらも、彼女が触れる事も見越して、事前に立ち上がっておく。
「かっこ悪いとこ見せちゃったね……今の内に回収も済ませちゃおうか」
「でも、傷……」
差し出すつもりだった手を泳がせながら、エリナは尚も気遣ってくれていた。
「これぐらいなら、すぐ治るよ」
笑みを見せつつ、コア回収に向かう体で彼女の側を通り過ぎる。
実際、"黒蛛病"が体内のオラクル細胞を活性化させている影響で、それに伴う治癒能力もまた、飛躍的に高められていた。
内の消耗はどうしようもないけど、あくまで外傷を誤魔化す分にはありがたい。
「……本当に?」
「本当に」
「ふーん……」
それでも彼女に生まれた疑念を振り払うには、しばらく時間がかかりそうだったけど。
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