454: ◆6QfWz14LJM[saga]
2017/01/19(木) 22:47:18.99 ID:9gwLykoUo
「……その、一見怯えているようで、ただの一度も折れる気はないって顔……新人だった頃のあいつもよくしてたっけな」
立ち上がったハルさんが、私の方を見やる。
「確かにお前はケイトによく似てる。優しさも、頑固とも言える真っ直ぐさもな」
言葉を切った彼の眼は、未だ澱んでいた。
だけど、それもすぐ瞼に覆われて、清濁の判別がつかなくなる。
「……でも、結局は似ているだけ、なんだよなぁ」
再び現れた瞳には、侮蔑に染め上げられていた。
雰囲気の変化に戸惑う私の姿が、鏡のように映し出される。
「まず、見た目だな。あいつはそもそも金髪じゃないし、目の色も形も違う」
「えっ……いや、あの――」
「背丈も結構違うよな。後は……まあ、色々だ」
やや下方に伸びたハルさんの視線に対し、私も少しばかり、抗議の目で返す。
今の議題に、そういう外見的な部分は関係ないと思うんだけど。
そんな事は意に介さず、彼は尚も捲し立てる。
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