448: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/12/31(土) 22:51:46.65 ID:ocVP7Ngho
「吹っ切れたな」
ハルさんの口元が緩む。
その瞳に、私は思い当たるものがあった。
「はい……あの、ありがとうございます」
「いいさ、こっちも世話になってるからな」
「……それじゃ、俺もそろそろ――」
「ケイトさん、ですか?」
傍から見れば不明瞭に尽きる一言で、退席しようとしたハルさんの動きが止まる。
ギルだけじゃない。
彼もそんな目をするのだと感じた頃には、既に言葉が飛び出していた。
よく考えなくたって、当然の話だ。
距離で言えば、ハルさんが最も彼女に近い位置にいた。
だというのに訝しみもしなかったのは、彼が私を捉えていたからだ。
その彼の瞳の中から私の姿が消えたからこそ、私は聞いてみたくなってしまった。
「私が彼女に似ているから……あなたも、こんなに良くしてくれるんですか……?」
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