447: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/12/31(土) 22:50:21.97 ID:ocVP7Ngho
「……だから、まだ踏み止まれるうちに言っておく」
「自分におっ被せる前に、もう一度、そいつのやった事を受け止めてみろ」
「俺は"ブラッド"の元隊長と特別仲が良かったわけじゃないが……そいつは本当に、お前に何か言われただけで信念を曲げちまうような奴なのか?」
「……いいえ」
漸く、鈍っていた頭が回り始めた。
「私の知る彼は……それこそ、私達から離れてまで、自分の意志を貫こうとする人物でした」
その認識だけは、忘れてはならない。
だから私は、何故彼がこんな行動を取ったのか、不思議だった。
信じたくないから、受け入れたくないから、自分に責を求めて、無意識の内に押し込めようとしていた。
「……だったら、どうする?」
その在り方が、彼を遠ざけていると言うのなら。
受け止め、許容するために、今私がやれる事は一つしかない。
「まだ、正解はわかりません……けど、彼が道を踏み外している以上は」
「私が……"ブラッド"が、ジュリウスを止めます」
未だ引かない微熱と、泥の詰まったような意識が、私を弱気にさせていたらしい。
既に犠牲は出ている。
動機の是非を求めるのは、止めた後でだっていい。
私の言動が原因にあったとしても、尚更だ。
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