402: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/07/19(火) 00:42:27.09 ID:BGzsMdD4o
とはいえ、携帯しているであろう護身用のスタングレネードだけでは心許ない。
強引にユノを帰らせるにしても、救出対象の規模を考えると、今の部隊から人員を割くのは現実的じゃない。
そもそも、ここまでの行動を起こせる人物がこれ以上何をしでかすか、わかったものじゃない。
「……いい加減に――」
「いいよ」
ギルの前に立ち、故意に力を込めて、神機を地面に突き刺す。
存外大きな音が響いたけど、ユノは私から眼を逸らさなかった。
ギルが押し黙った隙に私はスーツのファスナー部に手をかけ、脱ぎ去った上着部分をユノに差し出す。
「加わる以上、指示は守ってね」
「おい……!」
「傍に置いておく方が安全でしょ?……大丈夫、責任は私が取るから――」
押さえつける方法は、他にいくらでもあるだろうけど。
結局行き着くところは、情に絆された自分への言い訳をしたかっただけなのかもしれない。
たけど、些事に取られるほどの時間がないのも事実だ。
そうやってまた、自分に言い聞かせておく。
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