38: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/17(月) 22:31:54.02 ID:pULMqkzL0
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――フェンリル極東支部。
その名の通り、嘗て日本と呼ばれた、東の果ての地域に位置する支部で、
支部内部の主要施設が地下に集中しているという特徴から、その拠点は"アナグラ"という別称で呼ばれることもある。
極東地域は強力なアラガミが頻出する地帯でもあるため、
フライアは"ブラッド"と"神機兵"の大きな運用実績を得ることを目的に、ここを訪れた。
付いて回る噂や"アナグラ"という言葉の印象から、どことなく排他的なイメージが先行していたけど、実際にはそんなこともない。
支部の神機使いや職員達から、外部居住区に"サテライト拠点"の人々まで、
例外は当然あるけど、多くの人が好意的に私達を迎えてくれた。
極東支部は対アラガミの最前線である代わりに、得られる資材が豊富で、最先端の設備と技術の開発が優先されるという利点もある。
外部居住区の生活改善も図られていて、近年では他の地域から流れてくる市民の数も増加傾向にあるんだとか。
ただ、その収容人数も限界に達しつつあったため、
極東では独自の施策として、"サテライト拠点"と呼ばれる、フェンリル本部の管理に拠らない生活拠点の建設が進められている。
私達が訪れた客人用の区画には、その"サテライト拠点"への本部の支援を取り付けるため、
双方をつなぐ架け橋として活動する歌姫、芦原ユノの姿もあった。
彼女は、市民代表のアイドル的な存在として各支部でも人気を博していて、私達の中では、ロミオが特にそのミーハーぶりを発揮している。
ユノとは彼女がフェンリルでの広報活動の一環として、フライアに訪れていた際に一度出会っていたことがあり、
同年代のよしみもあってか、比較的早くに打ち解けることができた。
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