37: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/17(月) 22:28:04.04 ID:pULMqkzL0
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――取り込んだデータの確認、もとい振り返りを一通り終える。
自分の記憶と照らし合わせながら読み進めてきたけど、どうもこの辺りの記述は読みにくい。
事実とそれに対する感想だけでいいものを、半ば専門用語まみれのメモ帳と化している。
そういうのはちゃんと住み分けて……というより、これで反省して、ノートと住み分けるようにしたんだっけ。
今も結構諫められることが多いけど、一定の事柄に熱中すると周りが見えなくなる性質はこの頃から健在のようだった。
高等部ではオラクル研究分野を学んでいたから、関連技術に対しての知識欲が割合強いのもあったんだろう。
……こんなことすら、実家にいた頃には気がつかなかった。
フライアでの用事は一通り済ませたので、アナグラに戻る準備をする。
折角フライアに来たのだから、帰る前に"彼"の墓にも顔を出しておこう。
極東支部に到着して以降もフライアに戻る機会はあったけど、まさかこのまま極東に残留し続けることになるとは思わなかった。
今回、日誌を取りに行く羽目になったのもそれが一因だけど、これは異動時に持ち込みを忘れていた私が、単純に迂闊だっただけとも言える。
それに、ここに居残ることになったのはむしろ喜ばしいことだ。
アナグラではフライア以上に多くの事があったし、学ぶ事についてもまた、同様だった。
いずれは、ここを離れなければならない時も来るかもしれないけど。
……この日付以降のデータは、アナグラの自室で確認することにしよう――
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