363: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/04/10(日) 12:42:25.16 ID:sXugDQCbo
7
何もかも、都合よくは出来ていない。
特に明確な人類の敵を抱えた現代で、それは自然と身につく認識ではあると思うけど。
自分とその周囲は不思議と上手くいく、なんて思ってしまうのもまた、人間の悪い癖で。
予感はあれど、私も例に漏れず、知らない内に錯覚していた一人だ。
そう思い知る発端は、サツキさんの訪問にあった。
「すいませんね、こんな時間に」
その日の私は、任務を終え、エリナの買い物に付き合った後、ハルさんからの誘いを受けた帰りだった。
期せずして、互いに復讐者を身近に持つことになった気持ちの共有や、グラスゴー時代のハルさん達の話。
私は酒も飲めず、ほとんど聞き役に徹していたけど、
会話の中で改めてロミオへの整理がつけられた事も含め、有意義な時間だったように思う。
それだけに眠気も勝ってきた夜の道程、私の部屋の前で待ち構えていたのが、サツキさんだった。
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20