281: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/22(月) 02:09:16.01 ID:E9X6QFqSo
彼女に手鏡を渡し、出来映えを確認してもらう。
「……これは……!」
シエルの目が、大きく見開かれる。
鏡に映ったのは、私と同じく、後頭部の高い位置に後ろ髪がまとめられた、シエルの姿だった。
髪の長さと、結んだリボンから、彼女のポニーテール姿は、私とはまた異なった印象を与えている。
「えへへ……おそろい」
「……」
「……なん、て……」
鏡を見た姿勢のまま硬直したシエルを見て、私は青ざめる。
……しまった。
つい浮かれて、調子に乗ってしまった。
「あ……ごめんね、すぐ直すから――」
――伸ばした手が、力強く掴み取られる。
気づけば眼前には、一瞬でこちらに振り返った、シエルの顔があった。
「……こんなに、素晴らしいものなんですね……!」
「ありがとうございます!ずっと……大事にしますから……!!」
「い、いや……そこまでしてもらわなくても……」
どうやら彼女は、嬉しさのあまり固まっていたらしかった。
かといって、感極まった表情でそう言われても、それはそれで反応に困る。
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