269: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/02/19(金) 03:08:13.11 ID:FLcWsv7Mo
彼らが見ている私と、私の望み。
それは自覚していなかっただけで、同じものだったのかもしれない。
けれど、過去に揺れて、孤独に戻ろうとした弱さを、否定したくはなかった。
それもまた私の本質で、なかったことにはできない。
彼らに弱みを見せなかったのは、望みの裏返しでもあっただろうから。
「……みんな、改めて聞いておきたいんだけど」
だから私には、確認しなければならない事があった。
「本当に私が、隊長でいいの?」
私の違う一面を知ってなお、彼は私に信頼を見出しているのか。
自らつながりを絶とうとまでした私を、彼女は求めているのか。
一度は"ブラッド"を裏切った私が、彼女の上に立ってもいいのか。
怖くて、聞けなかった。
理解不足を、彼らの失意のきっかけにしたくなかった。
だけど彼らが、もう一度迎い入れてくれると言うのなら、私自身がそれに納得しなければならない。
私からの問いかけに呆れるでもなく、笑い飛ばすでもなく、ギルが口を開いた。
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