243: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/01/29(金) 02:30:43.58 ID:mI3mcWABo
「泣いてるシエルさんを……落ち込んでるナナさんやギルバートさんを見ても、まだ"ブラッド"にふさわしくないって言えるの!?」
「自重で潰れちゃう前に、少しはあなたを想ってくれてる人の事も考えてよ!」
「……私を、想って……?」
「当たり前でしょ……好きでもない人に、こんな事するわけ、ないじゃない……」
「……だから……だから……っ!!」
次第に、彼女は言葉を詰まらせていった。
一つ、二つと、エリナの手に熱が灯る。
「必要ないなんて、言わないでよ……いつもの先輩に、もどってよぉ……っ」
彼女を押し止める堰は、既に消耗しきってしまっていた。
嗚咽混じりの泣き顔を隠すように、エリナは私の胸元に顔をうずめる。
私はそれを引き剥がすことも、抱きしめることも出来ずに、ただ茫然と彼女を見下ろしていた。
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