242: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/01/29(金) 02:28:11.40 ID:mI3mcWABo
「……これだけ私に言わせといて、まだわからないの?」
おもむろに、エリナが私の方へ手を伸ばす。
「じゃあ……教えてあげる!」
その手が制服の胸倉を掴んだのは、すぐだった。
激昂と共に、彼女の目線の高さまで立たされた私は、そこで初めてエリナの表情を見る。
まだあどけなさを残す顔立ちは、悲痛に彩られていた。
「……これでもね、先輩が倒れたって聞いた時、凄く心配だったんだよ」
「何にもできなくて、悔しくて、エミールやコウタ隊長にも当たりそうになって……」
「私でさえこうなのに、もっと長い間、あなたと過ごしてる"ブラッド"の人達がどんな気持ちだったか、わかる?」
掴まれた部分が、一層強く歪む。
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