238: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/01/29(金) 02:17:42.27 ID:mI3mcWABo
「えっ……?」
……精神的に弱った延長だろうか、思わず本音が漏れ出る。
彼女は強くなった。
同行した任務や演習での立ち回りにしてもそうだし、精神面も、周囲に気を回せる余裕が出てきている。
"ブラッドアーツ"さえ修得しかけている今、いつまでも私の元に縛りつけておく必要も――
「何言ってんの、先輩!」
――容赦なく、背中を叩かれる。
思わぬ衝撃に、私は図らずとも上体を軽く屈ませた。
私の発言を冗談だと認識したのか、意に介さないという意思表示なのか、エリナは笑顔で応えてくる。
「……」
だけど、その笑みも次第に崩れていった。
表情を消した彼女は、私の視線から避けるように、顔を俯かせる。
「……私、先輩が強いからってだけで、ついていこうと思ってるわけじゃないよ」
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