212: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/01/12(火) 02:06:48.47 ID:sot8cAHCo
……私、何でこんなになるまで頑張ってたんだっけ。
初めは空を見られたら十分で、それさえ終えたら、適当な所で野垂れ死んでやろうと思っていた。
それでも少しだけ、勿体無くて。
未練がましく神機使いを続けている内に、"感応種"が現れた。
またとない機会で、そこで終わらせてもよかったのに。
私がまだ立っているのは、あの言葉を思い出したから――
――"いくら恐怖に曝されようと、苦痛を与えられようと、それがお前だけの問題なら私は構わない"
"だが、それが他の人間に降りかかるのであれば話は別だ。自身に阻止できるだけの力があるなら、全力で解決に当たらなければならない"――
……あぁ、そうか。
そんな、単純な事だったのか。
私は、父から逃げ出したつもりで、彼の言葉に縛られていた。
私の方から、彼の掌の上に居続けようとしていたんだ。
そして私は、二度も阻めなかった。
力を持とうが、何も出来なかった。
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