【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
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205: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/01/12(火) 01:52:36.48 ID:sot8cAHCo


最初に見たのは、右胸から生えた腕だった。
次に見たのは、半分ほどもない顔だった。
一面の血だまり。
散らばった布切れ。
もはや、人体だったとも判別し難い肉片。

片隅には、音を立てて咀嚼する物体と、それの啄む動きに連動して跳ねる、肉塊があった。


何らかの事情で、外での生活を余儀なくされた者達だろうか。
それとも別の地から、極東への移住を望んで旅をしてきた変わり者なんだろうか。
そんな事は、もはやどうでもよかった。
惨状に直面した驚愕が怒りに変わるのに、そう時間はかからなかったから。

神機を床に突き立て、金属音を響かせる。
物体が動きを止め、こちらにのそりと向き直った。

全身を赤い硬皮に覆われた、先の虎型を思わせる四足の巨体。
両肩は大きく張り出し、背中には砲塔のような器官が折り畳まれていた。
頭頂部から上顎にかけて覆われた半透明のカバー状の皮膚には、人々を蹂躙した証が飛沫状となって張りついている。

その面を見るだけで、私が激情に身を任せるには十分だった。


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