【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
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204: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/01/12(火) 01:50:22.01 ID:sot8cAHCo

――屋内に足を踏み入れた途端、異臭が鼻腔を突いた。
思いつく限りの有機物と鉄を煮詰めて腐らせたような、今すぐにでも蓋をしてしまいたい臭い。
嗅ぐだけで吐き気がこみ上げてくるほどだけど、この場では何とか持ち直す。
当然ながら、中に人の気配はない。
――少なくとも、人のそれは。

通路を少し進めば、そこには右奥の部屋から放り出されたと思われる、携帯食料とその容器が散乱していた。
それらは明らかに幾数年と放置されたものではなく、一日と経たない内に用意されたもののように思える。
――思えるどころではなく、そのものだ。
――封も切られていない、棒状の固形食糧の袋には、赤黒い液体がこびりついていた。

疲労とは別の要因からくる、一筋の汗が頬を伝う。
既に切ってあった無線は元より、息も足音も潜め、私は部屋の間近の通路伝いにその身を預けた。
奥の部屋ににじり寄った分だけ、悪臭は強まっていく。
臭いにせよ、眼前に散らばったものにせよ、けして良い予感はしなかった。

……だけど、この先にこそ、私の目的がある。
彼らを無事に帰還させるためにも、ここで合流を待つわけにはいかない。
うるさいぐらいに感じる心音をよそに、私はアラガミの潜む空間へ乗り込んだ。


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