202: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/01/12(火) 01:47:00.63 ID:sot8cAHCo
ひとたび立ち止まれば、額に汗が滲み、息も乱れる。
頭を垂れ、膝を手についたその全身は、鉛の重さにも似た倦怠感に覆われていた。
自分だけでなく、神機にまで影響をもたらす"ブラッドアーツ"の発動は、肉体に少なからず負担を強いる。
短期決着に固執した、先の戦いでの"ブラッドアーツ"の連発により、私の身体には通常の戦闘以上の疲労が蓄積していた。
――"どうした、そんな所にうずくまって"
"……お父さんが一言だけ、お前のその髪が忌々しいって"
――それに、頭も痛い。
"感応現象"により、事物を強く意識した影響だろうか。
思い出したくもない記憶がフラッシュバックを起こし、私の脳内をかき乱してくる。
今の私は、精神、肉体共に、とても万全と言えるような状態ではなかった。
このまま膝を折ってしまいたいところだけど、そうもいかない。
息も絶え絶えに顔を上げれば、そこには目標地点である、廃屋の入り口があった。
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