186: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/12/21(月) 00:01:10.88 ID:l2omP2Lio
◇
戦いを終え、私とナナはアラガミのコアの回収作業にあたる。
アラガミに死の概念はない。
損傷を受けて一時的に活動を停止させる事はあっても、コアがある限り、奴らは何度でも再生する。
コアの回収は、アラガミ装甲壁を更新する以外にも、そうしたアラガミの再生を防ぐ措置にもなっているのだ。
だけど、いくらコアを破棄したところで、霧散した"オラクル細胞"は今までの記憶を引き継ぎ、私達の与り知れぬ所で再集合することで、またコアごとアラガミを形作る。
その循環を断ち切らない限り、人類側は防戦一方でしかない。
勝てる見込みも、戦いの先も見えないこの世界で、私は何を残せるのか。
それはまだわからないけど、今の私にはやらねばならない事がある。
託されたからというだけじゃなく、私自身がそうしたいと感じたからこそ、私は"ブラッド"を守り抜かなければならない。
……でも、それだけじゃ、まだ何かが足りない。
その何かがわからないから、こうして身の丈に合わない事をしでかして――
「……隊長、先ほどの行動の真意を聞かせてください」
――仲間から歪みを見咎められる。
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20